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管理人が03年頃に書いたサッカー戦術系のコラム群です。
※当時の状況を元に書いているため、出てくる名前が古い点は予めご了承下さい(苦笑)

サッカー戦術論
3バックと4バックにおける攻撃の理想像の違いについて(03/6/3執筆)
3-4-3における個人的な私見(03/6/4執筆)
4バックと3バックの守り方の違いについて(03/8/22執筆)
4バック・3バックとサイドアタック(03/10/28執筆)

日本のサッカー関連
市原、京都の戦術に見る3-6-1の可能性(前編)(03/4/10執筆)
市原、京都の戦術に見る3-6-1の可能性(後編)(03/4/11執筆)
「日本らしさ」を考える(前編)(03/4/18執筆)
「日本らしさ」を考える(後編)(03/4/19執筆)
石川の内に切れ込むプレーはダメなのか?(03/5/2執筆)
日本代表とサイドアタッカー(03/6/9執筆)
守備のための守備と攻撃のための守備(03/7/4執筆)
Jリーグの試合で感じた個々の能力の重要性(03/10/24執筆)

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2004.12.30 23:00 | 戦術系コラム | トラックバック(0) | コメント(0) |
何も書く事がないのでとりあえず掲示板でスネークスさんから要望のあったシステムについて。というと話題が漠然としているのでとりあえず今回は4バックと3バックのサイドアタックの違いとサイドアタックについて考えてみたいと思います。

以前書いたように4バックと3バックの違いは大きなくくりで言ってしまえば「サイドを厚くする」か「中央を厚くするか」という違いだと言えます。3バックが3人がほぼ中央で守るのに対して、4バックの場合はカバーリングがあるとはいえ、基本的に2枚で守ることになります。なので4バックで守るためにはある程度人に強い、あるいは守備能力の高いCBの配置は不可欠ですが、逆の見方をすればここを2枚で守ることができれば必然的に他の場所に、つまりサイドに人数をかけることができるようになるわけです(このあたりについては「日本のサッカー戦術を考察する」に過去に書いたものがあるのでそちらをご参照下さい)。

4バックの場合は大抵の場合サイドが二枚になるケースがほとんどです。攻撃面においてサイドバックが二列目をフォローする、追い越していくなどの様々なケースが見られますが、二列目がよほど強力なオフェンス力を持っているか、やや特殊な攻め方をしていない限り、サイドバックが何らかの形で縦の関係として関わる方が多いのではないでしょうか。そういう点から見ると4バックにおけるサイドバックというのはサイドで決定的な形を作らせないだけの一対一の守備力はもとより、機を見て各所のカバーリングや攻撃に参加するための判断力や決断力、ある程度のスピードと突破力、何度も上下動するだけの運動量や、正確なクロスをあげるだけの技術など、本来必要とされる能力は決して少なくありません。

そして4バックのサイドバックが上がるためには(これは3バックのサイドにも言えることなのですが)基本的に中盤において自らのチームが優勢であることが前提となります。というのは中盤が劣勢な状態でサイドバックが上がるとその背後に広大なスペースができてしまい、その状態でボールを奪われると裏を突かれて危険な状態に陥りかねないからです。ただ、中盤のサイドの選手という点で見ると、4バックによるサイドは後ろにサイドバックがいるという点で3バックのサイドよりも守備の負担が少なく、展開次第では中盤やFWとのコンビネーションでもサイド攻撃が仕掛けられることから、基本的に3バックの時よりもサイド攻撃が仕掛けやすいという見方もできると思いますね。

では3バックのサイドはどうなのかというと、サイド全体のバランスから考えれば通常のオリジナルポジションは4バック時のサイドよりはやや位置取りが低いケースが多いわけですが、かといってそれはサイドバックの役割を兼ねるということとは同義ではありません。むしろある程度中央の3枚を中心とした守りで跳ね返すというのが基本的なコンセプトといえるのではないでしょうか。つまり基本的に中央をしっかり固めていくという考え方であり、基本的にサイド一枚の状態から攻めようとするならばサイドに突破力のある選手を配置するか、中盤のボランチやトップ下といった中央の選手との連携やFWとの絡みを考えていかないと深く侵入していくのはなかなか難しくなってくるわけです。

ここでなぜサイド攻撃を行うのか、サイドをえぐるような動きを考えるのかという基本的な疑問が出てきます。サイド攻撃を行う理由はサイドを突破する事で中央を固める相手を引き出すことが出来る点で利点があることは何となくイメージで分るのではないかと思います。ではなぜサイドの選手がえぐる動きを考えるのか。これはまず深く攻め入らずアーリークロスを入れた場合の事を考えると、アーリークロスというのは逆襲など相手選手が戻っている状態でスピードがあって点で合わせるのが得意な選手がいる場合などに有効なクロスといえますが、サイドが進出した位置が低いと必然的にクロスの角度は厳しいものが多くなり、合わせる選手にとっては後背に近い角度から来るクロスになることが多くなります。当然の事ながら求められる技術も高いものを要求されることになるわけです。逆に言えば相手が構えた状態でアーリークロスを入れても、DFにとってはFWを視野に入れながらボールに対応できるわけですから守りやすくなりますし、逆にFWにとっては角度が厳しいとなると高さがあるとか、身体能力が高いとか、ポジショニングがいいとかよほどDFに対して優位を保てない限りFWは苦しい勝負を挑む事になってしまうわけです。

しかし、サイドをえぐる動きをするとそれとはまた違った状況が生まれてきます。というのはより深く侵入する事で相手のDFはニアのコースを切りに来ざるをえないわけですが、そうすることでマンマークであればその動いた場所にスペースが生まれ、ゾーンであってもその動きの中でDFライン全体がが横に移動する際にうまく移動できなければスペースが生まれますし、少なくともそのサイドにずれることで逆サイドにスペースができてきます。また、一瞬サイドを気にかけることで角度的にボールとともに視野に入れていたマークの選手に死角に入られ見失ってしまうこともあるでしょう。またサイドの選手がエンドライン際まで進出すれば中に入れるボールが前方へのボールでないことからオフサイドになるケースは少なく、DFとGKの間にボールを入れるとDFが戻りながら対応しなければならないことからクリアするのが非常に難しくなります。ようするに一言で言ってしまえばサイドを深く突く事で隙を突くだけのスペース、チャンスが中央に生まれやすいということですね。

なぜFWがサイドに流れてしまうとダメだと言われるのかと言えば、サイドを突いても肝心の中央に選手がいないことが少なくないないからだと思うんですね。逆サイドや二列目からスペースに飛び込む動きがあったり、エメルソンのような驚異的な突破力とシュート精度を誇る選手がいればその限りではないのかもしれませんが、今の日本人にはそういう選手は少ないですからね。今後エリア内で勝負できるFW、サイドをえぐれるだけの人材、つまり中盤の司令塔以外の人材が今後どれだけ育つかというのは重要なことのような気がします。それはCBやサイドバックにも言える事なんですけどね。
2003.10.28 23:29 | 戦術系コラム | トラックバック(0) | コメント(0) |
以前にも何度か書いたんですが、それなりの試合数を観るようになったのは今年に入ってからなんですね。今年はTV観戦を含めるともう140試合弱ですか。それまでは年数試合観に行って、たまに地上波でやっているTVの試合を見ていたくらいだったんです。3年くらい前までは実際に試合を見ることにはあんまり興味がなくて、休みに自分がプレーすることの方が楽しかったくらいでした。だから、以前から情報としては気に掛けていたのでチェックはしていましたが、観るということに関してはあんまり積極的ではなかったんですね。

ただ、試合を観るようになると情報から受ける印象と随分違うことがあることに気づかされるわけなんですよ。例えばTVのダイジェスト版って得点シーンが中心なわけなんですね。あれだけだとそれまでの状況がどうだったのか、というのは分らないわけです。3-0というと完勝というイメージもありますが、実際に攻められる苦しい展開が続きながらカウンター3発のみで勝利ということもあるわけです。

ま、そんな中で試合数を観るようになってそうだったんだな、と意外に感じたことは実際のJリーグの得点シーンは全体的に見れば「チーム」としての見事な連携よりも、突出した個人技を活かしたものや、単純なミスからの失点に繋がったケースが思っていたよりも多かったことなんですね。TVのダイジェストだけを見ているとなかなか気づかないことだったのですが、なかなか勝てないチームでも案外チームのコンセプト自体は結構しっかりしていたり、なんていうことはあるわけです。

ただ、そこでゲームプラン通りに戦っていたとしても特にキーとなるポイントにキッチリ仕事が出来る選手がいなければゲームプランは完遂しないし、それがなかなか勝利に結びつかないわけです。個人的にはチームが長期的な意味での勝利を得るためには大雑把にいうと

(1)選手の特性を考慮に入れたチーム戦術・コンセプトを確立している
(2)試合を決めるだけの決定力、多様な得点パターンを持っている
(3)チームとして個々の選手能力のベース・選手層の厚さがある

という3つが必要だと感じています。

(1)はある程度チームとして大前提の話になりますね。どんなに前線に強力な選手を抱えていても、苦しい形でしかボールを持てなかったら得点を奪うことは難しいですし、逆にチームとしてこういう形なら得点チャンスを作ることができるという形をいくつか持つことができれば、それなりの得点能力を持った選手さえいれば少なくとも勝利に必要なだけの得点は奪うことができるのではないかと。守備に関しても一対一の能力が高い選手を揃えれば守備が安定するかと言えばそんなことはありません。どんなに対人能力が高い選手でも二対一、三対一という局面を巧みに作り出されてしまっては苦しい展開になるのは目に見えています。

中盤においてもどうやって攻撃を展開していくのか、どうやって最終ラインに至る前でボールを奪うかという戦術が確立できているかどうかはチームとしての完成度を大きく左右してきます。どうやって守り、どうやって攻めるのか。どんなに能力の高い選手をそろえていても個々の選手がバラバラに動いていてはなかなかいい形を作ることはできません。ここはチームを考える上で重要なポイントとなる部分ではあると思います。

(2)はやはりチームとして勝利を得るためには相手よりも多くゴールを奪う必要があるわけです。何らかの形で相手の守備陣を打ち破って得点を奪うだけの力、ということを考えれば個、あるいは2人によるコンビプレーによる突出した存在で崩す、チームプレーで崩す、セットプレーで崩すといった様々な方法があるとは思いますが、ここで得点パターンをいくつ持てるかというのは大きなポイントなわけなんですね。その前の大前提としてチームとして考えるならば具体的に得点をイメージできる形というのが最低でも一つは欲しい。得点を奪うパターンとして具体的なイメージができるということは逆算してチームとしてどういう攻め方をすれば、どういう工夫をすれば得点を奪うことができるのか、具体的にイメージができるということなんですね。そういうのがあるのかないのかの違いは大きいと思うわけです。

苦しい時、得点を奪いたい時にDFを前線に出してパワープレーというのをよく見かけるのですが、あれは別の見方をすればそういう苦しい時に頼みに出来るほどの得点パターンを持っていないことの現われだと見ることもできるんじゃないでしょうか。また、一つのパターンのみではその選手が抑えられてしまった場合、出場停止になった場合に決定力が大幅に減少してしまいます。多様な得点パターン、特にセットプレーでいくつかの得点パターンを持っているかどうかは膠着した状況において勝ちを引き寄せられるかどうかの大きな分かれ目になってくるのではないでしょうか。

この(1)と(2)はチームとして勝利を目指していくためには必要不可欠なものといえます。戦術が確立していても得点を奪うことができなければ勝利に繋げることができませんし、逆にどんなに決定力のある選手を前線に置いたところでそこまでボールを運ぶことができなければ得点に繋がりません。どちらかが欠けているようだとどうしてもとりこぼしが多くなり、勝ち点が思ったよりも伸びません。

しかし、この2つが揃うとある程度勝ちを拾えるようになる、いい戦いができるようになるというだけで、それだけでは優勝するにはやはり足りないものがあるのではないでしょうか。選手層の厚さは欠場した選手がいるとチーム力が大幅に落ち、安定した戦いに繋がらないということはたぶん誰もが感じていることだと思うのでこれに関しては特に触れません。今回特に言及したいのはある程度拮抗したチーム力同士の戦いになると結局は個々の能力が問われてくるということなんですね。

一般的に数的優位というと運動量を活かして作るケース、リスクを冒して作るケースを想定しがちですが、見かたを変えればどこかの局面で一対一に勝つことができれば容易に作り出せるものでもあったりするわけです。逆にいえば一対一で容易に突破されるポジションがあるようでは守りとしてもそこから大きくバランスを崩さざるを得ない状況というのも出てくるでしょう。相手の前線に非常に突破力の高い選手がいたとしたら守備面で二対一でも絶対的な優位とは言えないわけです。

ようするに基本的に一対一のマークで止められない選手がいるというのは、チームとしてその時点ですでに数的不利な状況に陥りかけているということなんですね。そういう場合で相手が攻めに人数をかけてくるとどうしても守りは苦しくなりますし、逆に守りに人数を割かざるを得ないことで攻めにも人数を掛けられない。こういう状況に陥った場合、前線に単独ないし少数でなんとか局面を打開できる強力な選手がいればその限りではありませんが、そうでない場合はどうしても攻撃も苦しくなります。そうなってくると前線でボールをキープすることもままならなくなって守備の時間が長くなってしまうわけです。

つまり個々の能力というのはもちろんチーム全体において言えることではあるのですが、特に前線に決定力の高いFWがいるかいないかで得点力が左右されるのと同様に、最終ラインにも強力なFWに対してもある程度一対一でストップできる、ゴール前で致命的なミスをしないDFがいるかいないかの差は非常に大きいわけです。浦和のエメルソン+田中、名古屋のウェズレイ+マルケスのように2トップがそれぞれ高い突破力、決定力を持ったFWの場合にはチームとしてどんなに気をつけていてもどうしても一対一の局面は何度か生まれてきてしまいます。完璧に抑えるのはやはり簡単なことではないかもしれませんが、何度も崩されるようだと大量失点に繋がりかねません。やはりDF、特に日本人のDF陣はカバーリングの能力とともにある程度のサイズと身体能力、そういう強力なFWをどうやって抑えるのかという工夫ができるだけの経験がもっと問われることになるのではないでしょうか。

逆に攻撃面で言えば、パスや運動量だけでなくそういう個々の突破力で数的優位を作り出すような選手が日本人にもっと出てきて欲しいところ。日本人は組織力で戦うべきだという声は依然として根強いものがありますが、やはり今後は個々の能力のベースをどうやって高めていくか、いかに個々の能力で勝負できる選手を発掘・育成していくかということにもしっかりと目を向けていかないと、組織力をどんなに高めていったところで自ずから限界にぶつかってしまうのではないでしょうか。

少なくとも攻撃の最終局面、守備の最終局面においてはやはり個々の能力が問われてくることが少なくないでしょうし、組織力が日本と同等以上であった場合にはその組織力でさえも日本にとってのアドバンテージにはなり得ません。今の日本代表の組織力にやや改善の余地があることは確かですし、もう少し攻守の連携が上がってくればチーム力としては向上するとは思います。しかし、一方で技術こそ高いものの一対一で勝負できるだけの力を持った人材がほとんどいないのが今の日本の紛れもない実情なのではないでしょうか。今の技術に加えて一対一で勝負できるだけのメンタリティを植えつけられるか。日本の将来を考えるとそれは案外重要なことのような気がしますね。

2003.10.24 23:37 | 戦術系コラム | トラックバック(0) | コメント(0) |
ある方からメールで4バックと3バックの守り方の違いについて質問があったので試みに少し書いてみようと思います。時々こういうメールをいただくことがあるのですが、これも自分の書きたいことを好き勝手に書いているだけなとはいえ、反響があるのはやっぱり嬉しいことです。


さて、3バックと4バックの守り方の違いは大雑把に言ってしまえば、「中央をしっかり固める」か「サイドバックを配置して横のスペースをキッチリ埋める」かという違いになるのではないかと思います。例えば三人で守るとすると自ずから60mの横幅を3人で埋めるわけですから、キッチリとスペースもなく埋めるのは非常に難しいわけです。それに比べれば4人で守る方が明らかに横のスペースを埋めやすいのはいうまでもありませんね。これだけを見ると4バックの方が守りやすいように感じますが、実は必ずしもそうとは言い切れません。

というのは、3バックの場合、両サイドのCBはサイドバックのようにサイドに張るケースは少なく、比較的中央に構えるケースが多くなります。それでサイドには若干スペースが生じますが、中央に二枚、そしてそれをカバーリングできる選手を置くことで中央に厚い布陣を敷くことができるわけです。それに比べれば両サイドバックを置く4バックの場合は中央のCBが二枚となり、いくらサイドバックが攻撃を防いだとしても、CBが一対一や空中戦に弱いようだと4バック自体が機能しなくなってしまいます。つまり、3バックのCBが中央でカバーリングをしやすい関係にあるのに対して、4バックは横のカバーリングを意識しながら個々がキッチリ守っていく事が求められるわけです。二枚のCBは3バックのCB以上のものを求められているといえます。


また、見方を変えれば、つまるところ2つの違いは中央とサイドのどちらを厚くするのかという違いにもなるわけです。一つラインを上げた中盤で考えてみるとどちらもサイドはMFが一枚になるケースが多くなるのですが、背後にサイドバックがいるかいないかでその役割は大きく違ってきます。サイドバックがいればその縦の連携で攻守において補完関係を築くことができますが、もし、サイドが一枚の場合には自ずからカバーするエリアは広くなりますし、ヘタをすると防戦一方に追い込まれ、攻撃どころではなくなってしまいます。

要するに3バックでは中央を固める代償として、両サイドのMFがカバーする範囲は膨大なものになります。その両サイドのMFを使ってサイド攻撃を機能させようと思うなら、チーム全体で中盤を支配してボールをキープする展開に持ち込むか、数的不利をものともしない突出したサイドアタッカーを擁して相手のサイドを防戦一方にして押し込むかするなどして両サイドのMFの背後のスペースをうまく相手に活用させないように工夫する必要が出てきます。


サイドにおける優劣というのはあくまで相手との力関係によるものであり、相対的なものでしかありません。かつての日本国内では3-5-2の布陣を採るチームが多かった事からサイドの攻防が一対一の場合が少なくありませんでした。しかし世界的に見れば4バックの布陣を敷くチームの方が圧倒的に多く、例えば日本が3バックで臨んだ場合にはそれらの国々との対戦において自ずからサイドの攻防では数的不利となるわけです。

極論を言ってしまうならばサイドを二枚ずつにすることでサイドでの数的不利を作らないようにするか、あるいは最終ラインに保険を掛けてそこでキッチリ跳ね返していくかを選ぶかということになるのですが、個々の能力で局面を打開するのが難しいのであれば、前線で数的優位を作り出すためにも高い位置でボールを奪うこと、そして最終ラインで一対一の局面になる前にボールを奪う方法を選択した方が、つまり4バックを選択した方が局面を打開する可能性は高くなってくると思いますね。

ただ、数的優位を作り出すための4バックを機能させるためには、サイドバックを務める選手がある程度身体能力が高く攻守のバランスを理解できていることが不可欠ですし、2CBも身体能力がある程度高く、的確な状況判断ができることが大前提となります。4バックの場合はミスが即失点に直結するわけですからイージーミスは絶対に許されません。3バックの時の守備の仕方とはやはり微妙に違いますから、やはり可能なら普段の所属チームでも4バックとしてのタスクをこなして経験を積んでいる選手の方が望ましいのはいうまでもありませんね。幸いにも今季4バックを採用するJ1のチームは飛躍的に増えました。今すぐに効果が出ることではありませんが、数年後を見越してということであればその意義は決して小さくないと思いますね。
2003.08.22 23:28 | 戦術系コラム | トラックバック(0) | コメント(0) |
さてもうすぐJが再開するわけで。その間に行われたフル代表のコンフェデ杯三試合と、U-20のツーロンの四試合は日本代表を考える上で非常に興味深い試合でした。

フル代表は海外組を中盤に据えたスクウェア型の4-4-2。中田・中村のキープ力を活かして全体のラインの押上げやサイドバックのオーバーラップを引き出すとともに、二列目の二人も前線に積極的に進出する。一方のU-20代表はトップ下を置く3-5-2の布陣。トップに縦のフィードを入れて、ポストプレイからサイドアタックを引き出して行く戦術。

全く共通点のないように見える二つのチームの戦術は、継続的な代表の強化という事を考えると非常に疑問が残るけれど、実はこの2つのチームには一つの共通点があります。それは前線に位置するFWの二人が「ポストプレーを機能させていない」点です。フル代表では前線でのボールキープが定着しなかったことから、二列目のボールキープによる後列の押上げを引き出すようになったし、U-20代表ではポストプレーそのものが機能しなかったことからトップ下のポジションが十分に機能せず、サイドからの攻撃も散発的なものになってしまっていました。

ただ、それを考えるにあたってはポストを受けるまでの状況についても考慮に入れなければならないと思いますね。実際にコンフェデ杯でのフル代表や、ツーロンでのU-20代表におけるボール奪取の位置は決して高いものではありませんでしし、ボールを奪った時点での前線への起点を意識したフィードも決して多くはなかっために、攻守の切り替えの早さという点でやや難点があり、結果的にフル代表においてもU-20代表においても日本はチームとして「縦に早い攻め」ができないチームになってしまっていました。

守備を固めた相手に対してポストプレーを行うというのは簡単なことではありません。そして当然の事ながら守備を固めた相手を崩すのも簡単な事ではありません。遅攻では局面を打開できない場合には数的優位を作り出すための後列からの押上げも必要になってきますが、崩すのが難しい守備を固めた相手に向けてのオーバーラップはそれ相応のリスクを伴ってきます。思うに明らかに力が劣り最初から引いてくる相手に対してならともかく、強敵に対してリスクの大きい攻めをしていく事が果たして正解なのでしょうか。

個人的には現在の位置より高い位置でのボールの奪取から攻守の切り替えを早くして、縦への早い攻めがもう少しあってもいいような気がします。遅攻での4対6よりも速攻での3対4の方がゴールを奪う可能性は高くなってきますからね。そしてもっとも大切な事は最終ラインがもっと攻撃の起点となる意識を持つことではないでしょうか。今の日本の守備陣は守備の局面においてまだまだ「攻撃のための守備」というよりも「守備のための守備」という意識が強いような気がします。そしてボールを奪った後は安心してしまうのか横パスが非常に多く、無為な時間を経過させて攻撃のチャンスを逃してしまっていないでしょうか?

フットボールは「いかに点を取られないか」を競うゲームではなく、「いかに相手より多くの点を奪えるか」を競うスポーツです。無失点に抑えれば負ける事はありませんが、それだけでは当然の事ながら勝利することはできません。前線の選手が攻撃を意識するのは言うまでもありませんが、最終ラインの選手やGKが守備だけでなく今よりももう少し攻撃の起点としての役割を意識するだけでも、チーム全体の状況は随分変わってくるような気がします。最終ラインの選手や、GKが自らが攻撃の起点になる事を意識する事で自然と攻守の切り替えも早くなっていきますしね。最終ラインで軽いプレーをする事は許されませんが、それと攻撃の起点を意識するというのはまた違う次元の話です。前線へのフィードについてはもっと積極的にチャレンジして欲しいですね。
2003.07.04 23:36 | 戦術系コラム | トラックバック(0) | コメント(0) |