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本日、twitterをきっかけにゆにさん青赤ノートさんと企画した青赤茶話会で、30名近くの方にお集まりいただいて、昨季東京の戦術などについていろいろお話をしてきました。実は30~40分の持ち時間のはずなのに、1時間近く話してしまうという大失態をして後の進行が押してしまいましたが(笑)、皆さんといろいろお話しできて楽しかったです。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

ちなみに会では途中から作った文章とは関係なかったことも、結構アドリブで話したので完全には補完されていないものの(なので時間オーバしました)、それ用に作った説明文原稿をブログに掲載します。分量としてはA4で5ページ分とちょっと長いですし、WBに書いた布陣図もありませんが(あれ、図にするの難しいです 笑)、いちおうご参考まで。

今回の会の雰囲気は「見る前に跳べ」さんの方に載っています。またトーチュウの高橋正和さんもいらっしゃっていて、トーチュウの携帯サイトでも紹介してくださるそうですね。私はiPhoneなので、残念ながら読めなかったりするんですが(苦笑)


以下、青赤茶話会での説明文
「2009年の東京の戦績と戦術について」
【概論】
2009年の東京は終盤やや攻撃陣の迫力を欠いて苦戦しましたが、中盤以降は失点も減って守備が安定したことで大崩しなくなり、2008年に比べて順位を一つ上げて5位。カップ戦も天皇杯こそ代表などで主力を欠いて4回戦で敗退してしまいましたが、ナビスコ杯では石川・ガボレを欠きながらも見事優勝し、2004年以来のタイトルを獲得しました。

次に東京のリーグ戦の戦績を見ると、16勝5分13敗。そのうち先制した試合は19試合のうち、ブルーノが退場した川崎戦、追加点を奪えずにロスタムに逆転弾を食らった千葉戦・川崎戦の3敗しかしていません。特に開始20分以内に先制した試合は最終戦に同点に追いつかれた新潟以外は5勝と全て勝っています。

逆に先制された試合は28節のアウェイ名古屋戦以外は全敗。5分けのうち最終節を除くスコアレスドローと、いかに早い時間に得点を奪うかが、昨季の勝敗のカギを握っていたかはっきりと分かる結果になっています。では東京の勝ちパターン・負けパターンはどういうパターンだったのか、ざっくりと説明してみたいと思います。

低い位置から粘り強く繋ぐのが特徴と言われた昨季の東京ですが、立ち上がりからそういう形を取ることはあまり多くありませんでした。ロングレンジ・ミドルレンジと形は違えど縦に積極的にボールを入れてセカンドボールを拾い、積極的に仕掛けていくことが多かったと思います。守備としても高い位置からコースを制限してショートカウンターを狙い、早い時間帯に点を取って試合を優位に進めようという意図が感じられました。

ポゼッションを得意とするようになった東京が、なぜ序盤にそういう戦い方をするのか。それは序盤は相手の運動量も豊富で混沌とした状態になりやすく、お互いチームとしてのリズムを探っている時点では秩序だったボール回しがしにくいこと、そういう状態では地力よりも勢いやリズムをつかんだ方が主導権を握りやすく、チームを勢いづけるという意味でも、低い位置から繋ぐことによるリスク回避という点でも理に適った戦い方です。

そんな中でお互いチームとしてリズムを掴み、試合が一段落することが多いのが、前半20分頃。ここまでで先に点を奪えているかどうかはひとつのポイントと言えます。

ここから先は勢いだけで崩すのは難しくなってきますし、イーブン・ビハインドな状態で相手が無理せずカウンターを狙えばいい状態だと試合は難しくなってきます。逆に先制していれば、無理せずポゼッションして相手を引き出し、試合のリズムを見ながら、相手が崩れた隙を突いて楔を入れたり、カウンターを狙うような戦い方ができるわけです。昨季で言えば柏戦・名古屋戦など、快勝した試合の多くは石川などの活躍もあって早い時間帯に先制した試合がほとんどでした。

逆に敗戦した試合は開始直後にリズムを掴めず失点、あるいはイーブンの状態で攻め切れないうちに、前半・後半終了間際にセットプレー・カウンターで失点というパターンが多かったと思います。そこでまず東京がどういう形で試合の主導権を握ろうとしていたのか、守備戦術の変化、ビルドアップのパターンで説明したいと思います。


【守備戦術】
守備戦術として重要なポイントになるのは、「どこでボールを奪うのか」「それをどうやって攻撃に繋げるのか」の2つです。そのためにどういう守備の構築をしていくのか、方法論は監督の考える戦術や、チーム構成によって変わってきます。

まず「どこでボールを奪うのか」という点でいうと、具体的にはどこにボールを追い込んで、そこに人数をかけてボールを奪うかということをはっきりさせることが重要です。闇雲に前からボールを追いかけたところで、そうそう簡単にはボールは奪えません。そのために数的優位を作り出すエリア、それによって生まれるスペースをうまくケアしつつ、エリアを限定して行くことが重要になります。

その点、東京の方法論としては逆サイドへのパスコースを制限しつつ、片方のサイドへ追い込んで行きます。その上である程度時間や戦況の変化に伴い、ディテールを変化させているわけです。特に序盤は全体的にラインを押し上げてコンパクトにしつつ、サイドに追い込んで周囲のパスコースを封じつつ縦を切り、中への横パスをカットしてショートカウンターを狙っていきます。高い位置で相手がビルドアップしている最中にボールを奪えば、それだけ相手の陣形が整わないうちに攻められるというメリットがあるのは皆さんも御存知だと思います。

そしてなぜ中でパスカットを狙うのかというと、サイドだと縦と横パスを封じられると、ボールを戻すしかなくなってしまいます。中でボールを奪った方がカウンターの選択肢が広がります。また前から積極的にプレスを掛けてショートカウンターを狙い続けるのは、相当体力を消耗します。そのためなかなか点を奪えなかったりで、これをやり続けると、中盤から終盤に掛けてどんどん動きが落ちてきます。当然早い時間帯に点を奪って無理をしないようにするのがベターですし、勢いが続くようなら2点目・3点目を続けて狙いに行くでしょう。逆にそこでリズムを掴みきれなければ、それはそれで徐々にペースダウンするしかありません。


徐々に試合が落ち着いた中盤の時間帯に差し掛かると、チームの守備戦術としてサイドに追い込むという基本形は変わらないものの、ショートカウンターの可能性は残しつつ、序盤ほど厳しく追い込むというよりはコースを制限して行くという形に徐々に変え、むしろ中盤で自由にボールを繋がせない方法にシフトしていきます。チームとして最終ラインと中盤の間のコンパクトさはある程度維持させますが、相手が粘り強く繋いでくるようなら、維持しつつ徐々にラインを下げ、相手の攻撃を跳ね返す方向へ守りの形を変えて行きます。

その意図としては先程言ったように真ん中でボールを持たせると攻撃の選択肢を増えるため、それを制限するために外に追い込んで長い精度を欠いたボールを蹴らせ、最終ラインと中盤でブロックを作って数的優位を作り出してボールを確保し、自分たちの攻撃の時間を増やすこと。もうひとつは相手が粘り強く繋いできた場合、徐々に引いていくことで相手を前に引き出し、余裕を持った守りでカットし反撃の機を伺うことにあります。

こういう形に早い段階で持っていくことが理想なわけですが、逆にスコア的にイーブン以下の状況では、そこで必ずしも相手も無理をする必要がないわけで、後ろにこちらの攻めに対して数的優位を維持出来る人数を残してくるため、カウンターの効果も十分ではなくなります。いくら東京のポゼッションがうまくなったとは言っても、完全に引いた相手を崩すのは簡単ではありませんし、そこでいかにそれまでの時間帯で相手に対して優位な状況に立てているかが重要になってきます。


【ビルドアップ(前編)】
では東京がビルドアップをどう構築して行くのかというと、まずはCBを起点としたSB・ボランチのパス交換を行うことで、ボランチにいかにいい形で前を向かせるのかということが重要なポイントになります。CBにブルーノや今野といったきちんと繋げる技術を持った選手が定着したことはもちろん重要なポイントですが、相手の守るポイントを広げるという意味で徳永・長友の両SBのビルドアップ能力の向上、そしてボランチにボールを引き出して展開する能力に長けた米本が定着したこともまた重要なポイントでした。

相手が高い位置からプレスを掛けてくると、相手FW・二列目の中盤で4枚、自チームの4バックとボランチで6枚いるわけで、FWがCBにプレスに来たら、相手の二列目はボランチとSBの両方をカバー出きませんし、当然理屈の上では数的優位を作ることができるはずです。そのため、これまで相手はうまくサイドに追い込んでコースを切り、縦にボールを蹴らせていました。一昨年までの長友・徳永はビルドアップという部分に目が向いておらず、コースを切られたら簡単に縦にボールを蹴ってしまっていたためです。

そういう意味で、徳永・長友は昨年一年間そういったビルドアップ能力の向上に、かなり意欲的に取り組んでいたことが伺える成長を見せていました。当初は何となくボールを受けていたのが、いかにいい形でボールを受けることを意識するようになり、視野を確保して相手のマークを引きつけ、ボランチに繋げるようになってきました。ビルドアップするチームのSBは中盤で何とか優位を局面を打開してもらうのを待つのではなく、そういった局面を自ら意識して作り出すきかけを作ることも必要です。椋原は昨季多くの出場機会を得ましたが、まだここが2人に比べて足りないと言えるでしょう。


それに加えて、ボールを引き出す動きに長け、視野の広さでセンスのある展開や楔を入れられるようになった米本がボランチに定着したことはもうひとつの大きなポイントでした。昨年までの梶山・今野のボランチコンビは、ボールを引き出してからの視野の確保という点でやや難のあった今野に、どうしてもビルドアップという点で無難なプレーが多く、局面の打開という点では梶山頼みという部分が強くなってしまい、梶山が厳しいマークを受けがちでした。

そしてボール奪取からの攻め上がりが得意とはいえ、決してアンカータイプでない今野との組み合わせは、リスクマネジメントの点から梶山の攻撃力を制限させることになってしまい、その力を十分に発揮することができていませんでした。しかし今季途中からアンカー役とビルドアップの両方の役割をこなせる米本がボランチに定着し、お互い役割分担を補完出来るようになったのは大きな変化です。

また攻撃の楔を楔を入れる存在が昨年までは梶山と低い位置に下がった羽生に限られていたのが、その米本が試合経験を積むことで、もともとあった守備能力に加えて、当初から感じさせた視野の広さを徐々にビルドアップ能力みに活かせるようになったことで、梶山抜きでも米本のみでボールを引き出し、縦への楔を何度も出し入れして攻撃を演出しています。こういったボールを動かせるCBの定着、ポジショニング・繋ぐ意識を高めたSBの成長、そして梶山と相互に役割を補完出来る米本の成長が、東京の低い位置からのビルドアップを支えていました。


【ビルドアップ(後編)】
先述までのボランチが前を向いてボールを受ける状況を作り出す部分までで相手の守備のバランスが崩れている場合、ボランチは相手が後手に回る中盤で優位な状況を活かして、降りてくる平山のポストプレーからそのギャップを活かした展開、中に切れ込んでくる石川などを活かして一気にフィニッシュを狙ってきます。石川が中でボールを受けた場合、内に絞られてできたスペースを徳永がオーバーラップすることもありますし、内に切れ込んだ場合はFWはCBとSBの間に流れて動きを封じ、そのシュートコースを確保します。

そこまで一気に崩れていない場合は、主にボールを引き出す動きに長けた羽生を中心に、ボランチ・引いてきたFWやSBで局地的な数的優位を形成し、SBへの裏の飛び出しをフォローしたり、数的優位を作り出して相手のボランチを引っ張り出して、空いたバイタルエリアを石川らに攻略させる、相手も同サイドに人数を掛けてきた場合はボランチを経由させるなどして、逆サイドへサイドチェンジし石川や徳永にスペースを突かせます。逆サイドから攻略する場合は、羽生や長友などもバイタルエリアに進出して、ゴールを狙うことがありますね。

ここでポイントになるのは二列目の中盤がやや内に絞り気味になって相手SB・ボランチの中間に位置して相手を引きつけ、SBの飛び出すスペースを作り出すこと、左サイドは比較的数的優位を作り出すべくSBが積極的に攻撃に関与するのに対し、右SBは比較的守備を意識したポジショニングを取りつつ、逆サイドからのサイドチェンジで機を見た攻撃参加を図るところが特徴でしょうか。思うにそういう形になっているのは、徳永にビルドアップ能力がないわけではなくて、守備能力の高さを買われてと、フィニッシャーの石川が右サイドにいるので、ゲームを左サイドで作っている面もあるのだろうと推測します。

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2010.02.21 20:02 | FC東京 | トラックバック(0) | コメント(4) |

投稿は初めてになります。
なにからなにまでお疲れさまでした。

普段何気なく眺めているボールの軌道にも、一つ一つ明確な意図があり、その背後にベースとなる戦略があり、その上でピッチの上で攻防が繰り広げられているのだということを学びました。

突然、中途で押し掛けて申し訳ありませんでした。

内容としてはやや目が回る感じもありましたが、楽しかったです。
皆様とお会いして、凛とした品格をお持ちの中に居合わせ、引き締められる思いにさせられたのは大きかったです。

今後ともよろしくお願いします。

2010.02.21 22:34 URL | スネーク #feDURFr. [ 編集 ]

こちらこそ皆さんといろいろお話しできて楽しかったです。
ありがとうございました。

2010.02.22 07:44 URL | よっち #- [ 編集 ]

昨日はお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。楽しい時間でした。

あのようなお話をされるには多くの準備・労力が必要だったことでしょう。その努力にも敬意を表します。またお話をお聞きしていて、よっちさんがプレゼン慣れされているとは感じました(笑)。

ありがとうございました。

2010.02.22 08:22 URL | コール #.8F7RpF2 [ 編集 ]

実際に文章書いたのは前日ですけど、構想自体は年末から時間かけて作ったものを肉付けしていって、自分の書いた筋書きが具体的にイメージ出来ていたから、開き直って話せただけですよ(苦笑)プレゼンなんてほとんどしたことないです。

2010.02.23 09:10 URL | よっち #- [ 編集 ]












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